脳内妄想を書き散らすという、ある種の羞恥プレイ

私が、最後の人間……人類最後の生き残りとなってしまった。
いや、まだ可能性はある。まだ人類は滅んではいない。
完成したこの薬があれば、彼らを治せるんだ！
そう、この薬で魔物化した人間を元に戻せば……人類は救われる。
私は人類のために、この薬を使って救わなければならない……
だが問題がある。
この薬を、当の感染者達が拒んでいる。
感染し魔物になった人類は、次々に人間を自分達と同じ魔物にしていった。
そうして魔物になった彼らは、人類としての本能から魔物としての本能に書き換えられ
その本能に基づいて行動しているのだ。
彼らには理性がある。
理性があるからこそ、魔物から人間に戻る……いや、人間に「変身」してしまうのを拒絶する。
完成させたこの薬も、彼らにとっては毒薬でしかない。
しかし私は……人間である私は、このまま魔物化を見過ごしたままにして良いのか？
人間としての私の理性は、私の正義は、どうあるべきなんだ……
「……今更、何を言っているの？」
苦笑いを浮かべながら、女性が一人私に尋ねてきた。
上半身は女性。しかし下半身は蛇……魔物化ケースタイプ・ラミアの女性だ。
「そうやって一人でコソコソと……何が楽しいの？」
隣にいるのは腕とか半身が鳥となった、ケースタイプ・ハーピーの女性。
見つかってしまった……私は慌てた。こんな、こんな所を見つかってしまうとは……
私は、私は……どうすれば……
「ほら、言いなさいよ。なにこの三文芝居は」
「いや、ちょっと……「地球最後の男」ごっこ……「アイアムレジェンド」ごっことも言うけど……」
「ごっこ？ なにそれ。良い大人がくだらない……」
あきれ顔のラミア女性がわざとらしいほどに大きな溜息をつきながら、言葉を続ける。
「だいたい、魔物化ウィルスを開発したのも、広めたのも、あなたでしょ？」
「それも自分だけ抗体作って感染しないようにしてさ」
ハーピー女性がケタケタ笑いながら補足する。
「そんなくだらない事してる暇無いでしょ？ あんたは最後の人間として、子作りに励んで貰わないと」
「そーだよー、私達を妊娠させられるの、ご主人様だけなんだからさ」
うん……まあ、そういうことなんだがね。
私はこの理想郷、「ドキッ☆モン娘だらけのハーレム大会　ポロリしっぱなし」を実現させるために
魔物化ウィルスを完成させ、それを流行らせた。
当然本能やらなんやら、私の都合が良いようになるように。
どうやってそんなウィルスをだって？
ふっ……愛と想像力だよ。
人間が想像できることは、全て実現が可能！ 色んな偉大な人が言ってた！ マジで！
それをこうして実現させたまで！
ちなみに、人間に戻る薬は本物。コレがないと俺の死＝人類と魔物の滅亡になるし
「ほら、行くわよ。今日は私とこの娘と、あと……タイプ・スライムの娘と……」
「タイプ・マーメイドの娘もいたね。ほらほら、一人５回はノルマなんだから、頑張ってよ！」
両腕を二人に捕まれ、私は引きずられるように研究室を後にした。
しまったなぁ……絶倫薬を先に開発すべきだったか……人類滅亡は、もう目の前かもしれない。